すべての子どもが尊重される社会の実現をめざして活動するNPO 法人です。

特定非営利活動法人子どもNPOセンター福岡

「子どもが輝きを取り戻す居場所づくり」が始まります

「子どもが輝きを取り戻す居場所づくり」が始まります

【テーマ】 居場所づくり

仲間からいじめを受けている、勉強についていけない、親からも振り向いてもらえないなど、様々な状況の中で、孤独感を抱え、自信を失い、苦しんでいる子どもたちが多くいます。地域での子どもの居場所は、そういう子どもたちのためにはなくてはならない最後の砦です。そこで、私たちは、居場所に集う子どもたちや、居場所に関わる大人のリーダーとなる人材を育成するため、自己表現とコミュニケーション力を育成するワークショップを実施することとしました。
名付けて、「子どもが輝きをとり戻す居場所づくり」です。

 

子どもは本来、自ら成長する力を持っている存在です。その力は「安心・自信・自由」を保障された環境の中で最も発揮されますが、残念ながら現状はそうとはいえません。

 

福岡市内における子どもの虐待相談件数は、1,144件(2016年)、子どもの社会的養育のもとで暮らす子どもは施設養育、里親養育含めて443人(2017年)、不登校の小中学生986人(2016年)があり、社会的背景として、子どもの貧困の課題があります。これらの数値に表されている状況はいわば氷山の一角で、水面下に多くの子どもの様々な苦しみがあります。

 

この取組みは、居場所に集う子どもたちを対象にした、自己表現とコミュニケーション力を育成するためのワークショップ、そしてその指導者となる人材の養成をとおして、子どもたちに自信と誇りをとりもどし、困難に負けない力をつちかっていこうとするものです。

 

ワークショップでは、「ドラマワーク」とよばれる手法を用いて、一人の人間としてより豊かに深く感じ、考え、行動する力を育み、個々の個性豊かな表現の確立と掘り下げをおこないます。

 

■福岡でのドラマワークの取組み
今から20数年前、福岡でのドラマワークの先駆けとなる「子どもの芸術・創造表現活動育成事業」がスタートしました。
その取組に端を発し、「飯塚子どもの為のドラマスクール」が現在も精力的な活動を続けています。
https://www.facebook.com/iizuka.dorama.school/

 

私たちは今回、飯塚でドラマスクールの第一人者として指導をされている吉柳佳代子さんを講師にお招きして、子ども向けの連続ワークショップを実施できることになりました。
私も何度か吉柳さんの子ども支援者向けワークショップに参加させて頂いたことがありますが、何度受けても新たな発見があり、大人としての思考の癖や凝り固まった概念を持っている自分に気付かされます。
子どもと対等に向き合うために、誰もが必要なトレーニングだと感じています。一度や二度ではなく、ずっと継続が必要なトレーニングです。

 

■正解はない、自分で考える
先日、飯塚でのドラマスクールの様子を見学させて頂きました。ちょうどドラマコースの子どもたちが、その日の発表会に向けての練習をしているところでした。「セリフを間違えずに大きな声で言う」ことがよしとされる、幼稚園や小学校の学芸会の練習風景とはまったく違う練習風景です。

 

モチーフは、【歌「森のくまさん」の中で、なぜくまさんはおじょうさんに「お逃げなさい」といったのか?】です。たしかに、いわれてみれば「なぜ?」の状況です。そこから着想して一つのストーリーを作るのです。
決まったセリフはありません。その場面で、どういう言葉がふさわしいか、どのような声色や表情であれば相手に状況が伝わるのかを、キャッチボールしながら徹底して考えるのです。講師のアドバイスはありますが、正解はありません。ここではなにをいってもいい、どんな表現をしてもいい。その安心感が、子どもたちの生き生きとした表情を引き出しているように感じました。

そうして、自分の感情や表現と徹底して向き合う丁寧なプロセスを経ることで、シアターコースへ進んだ高学年の子どもたちの表現力は、一層深みのあるものになっていました。(3月の本番に向けたプレ発表をちょっとだけ見せてもらったのですが、圧倒されてしまいました。)

 

福岡市でも、このような取り組みが少しずつ育っていくよう、たくさんの仲間と力を合わせて土壌を作っていければと思っています。


ライター情報

子どもNPOセンター福岡 事務局

子どもNPOセンター福岡 事務局

団体からのインフォメーション、「子どもにやさしいまちづくりひろば」の交流に関するイベントや動き、広報など、子どものたちのために活動するみなさんにとって大切な知恵や機会となる情報を発信していきます。

【ウェブサイト】

【SNS(Facebook)】